県立大学学生3名の取材全文も掲載しています。
【富桜祭実行委員長 浅見翔さんへの取材】
質問① コロナ禍でありながらも大学祭を開催できた率直な感想をお聞かせください。
A.各団体や企業様のご協力のもと長い時間をかけて計画をしていたので、急激に県内での感染者の増加や学内でのクラスターの発生などにより、それらがご破算になってしまわないかという不安を当日まで感じていました。しかし、少しのトラブルはあったものの無事に開催ができ、その後も大学祭が原因と考えられる感染者の増加の知らせも特にないので心から安心をしています。この結果にたどり着くまでにご助力をいただいた方々には感謝しかありません。
質問② 対面での大学祭を経験しているのが4年生だけであったという状況下、大変だったことがたくさんあったと思います。印象的なことをお聞かせください。
A.一番負担が大きかったのは計画の中盤当たりでした。ある程度のイベントの構想が出来上がり実行に移すとなった時に、手本や手がかりを記憶の中に持っている人がいないことがここまで大きな負担になるとは思いませんでした。したがって、ほとんどが自分たちのオリジナルで作り上げた進行方法だったのではないかと思います。
もうひとつは進行のペース配分です。あの頃にこんなことを進めていたなという考えがデータ上にしか存在しないため、誰かが指示を出してくれるわけでもないので手さぐりになってしまい、各々の分野で頭を抱えていたように思います。
質問③ 準備の段階での学内の様子はどうでしたか。
A.正直なところ、現実味を感じませんでした。感染防止のために大人数が集まっての作業は避けていたし、準備にかかわる人員がとにかく少なかったため準備をしている雰囲気というものを感じづらかったです。また、開催自体が小規模なものだったので学生の中で学園祭が会話に出ることが少なかった印象があります。これは今年ならではの雰囲気だなと思っていました。
質問④ 大学祭当日の県大生の様子はいかがでしたか。
A.イベントが少ないからこそ多くに参加しやすいようで、一日を通して参加をしている人がほとんどでした。一人一人が満足度の高い学園祭だと感じてくれていたようで嬉しかったです。しかし、その数は少ないと言わざるを得なかったので宣伝、広告は今後の課題だと感じました。
質問⑤ その他印象的なエピソードをお聞かせください。
A.今年ならではだとは思いますが、参加者と運営の距離が非常に近かったことです。来てくれた知り合いが何気なく仕事を手伝ってくれたり、場の雰囲気を盛り上げてくれる場面があったりと、今後も残していきたい雰囲気を感じました。
質問⑥ 今後「富桜会」はどのような形で参加することが望ましいですか。
A.大学祭を開催するにあたって大きな力となっていただいている団体であるにもかかわらず、知名度が学内で非常に低いと感じています。したがって、今年は叶いませんでしたが出店やパンフレット上での紹介という学生の目につきやすい形で参加するのが望ましいと思います。
【笹井ののさん 取材全文】
質問① 開発されたシューズについて、どんなものなのかを、教えてください。
A.「踊るっシュ」はストリートダンス専用シューズで、名前の由来は「踊る×シューズ」で「踊るっシュ」です。“踊りやすさ“にフォーカスした機能的な側面を兼ね備えたシューズです。
(※現時点でシューズは開発しておりません。シューズの開発案でビジネスコンテストに参加し、靴づくりを学ぶために一足“試作した”というのが現状です。)
質問② シューズ開発のきっかけはなんですか?
A.2021年の夏に開催された山梨県が主催しているビジネスコンテスト「Mt.Fujiイノベーションキャンプ」に参加したのがきっかけです。
多くのメンターの方にアドバイスを頂き、シューズの開発案を提案しました。
その中で、次のオリンピック種目に認定されたことや、義務教育での必修化を受け、国内のダンス人口は増加傾向にあるにもかかわらず、専用シューズの開発が積極的に行われていないことに疑問を持ちました。そこで、幼い頃からストリートダンスをしてきた私が、日々練習をする中で見つけたシューズの課題に着目しました。
質問③ 開発に関わって下さった方々とのかかわりの中で、印象的な出来事(または印象的な人物)をお話し下さい。
A.開発するところまで至っていない為、回答できません。申し訳ありません。
ただ、試作をする中で、ものづくり、特に靴づくりは本当に大変だと感じました。
質問④ 卒業後は、どのような道に進まれますか?
A.大学院へ進学します。
舞踊というものを学術的に学び、見聞を広め、今後に生かしたいと考えております。
質問⑤ 県立大での学びはいかがでしたか?
A.多くの尊敬できる方に出会うことができ、山梨県立大学へ進学して良かったと心から思います。
大学自体がアットホームであることから、同期は勿論ですが、教授や先輩、後輩と深く関わらせて頂くことができました。また、県立大学には多くのユニークな人がいる為、様々な考えを持つ方とお話することで何度も触発されました。イノベーションキャンプへの参加を決めたのも、杉山先生と先輩の影響でした。自分には無い発想や考えを伺う機会が多く、様々な価値観に触れ、新たな知識を得ることができました。自分とは異なる考え方をする人がいる、ということが大変おもしろく、これまで知らなかったことを知れるというのが一番の財産なのだと思うようになりました。
進路についても、教授や教授のお知り合いをご紹介いただき、何度もご相談をさせて頂きました。その結果、現在の進路にたどり着くことができました。この大学に居なければ、今の私はなかったと言っても過言ではないと思います。
【廣田 凪紗さん 取材全文】
質問① 開発されたジャムについて、その特徴をお話し下さい。
A.「ベジブル」は、山梨県産野菜の大塚ニンジン、甘々娘(とうもろこし)、桃太郎トマトを使用した新感覚のジャムです。商品を開発する過程で、「市販のジャムは砂糖の使用量が多い・用途に多様性がほしい・食感を楽しみたい」という消費者の意見を踏まえて、地産地消の魅力を詰め込みました。
まず、ニンジンジャムは、山梨県市川三郷町の大塚地区で作られている大塚ニンジンを使用しています。大塚地区の土壌は、「のっぷい」と呼ばれている深くきめ細やかで肥沃な土壌であり、そこで栽培された大塚ニンジンは、普通の人参と比べて長く、太いです。また、独特の風味と甘さがあり栄養も豊富であることが特徴です。次に、トウモロコシジャムは、同じく市川三郷町で栽培された「甘々娘」を使用しています。甘々娘は名前の通り、段違いの甘さが特徴でありフルーツコーンと呼ばれることもあります。このトウモロコシは生でも食べられ、栽培の難しさから、市場では「幻のトウモロコシ」とも言われています。最後に、トマトジャムは中央市で栽培されている「桃太郎トマト」を使用しています。このトマトは、甘みと酸味のバランスが抜群で濃厚なうまみがじゅわっと広がるという特徴があります。どの野菜も山梨県の特産であり、新しい山梨の魅力を詰め込んだ逸品になっているので、ぜひ一度ご賞味いただきたいです。
(※商品名の「ベジブル」は「ベジタブル(野菜)」と「テーブル」を合わせた造語です。)
質問② 開発に関わって下さった方々との関わりの中で、印象的な出来事(または印象的な人物)をお話しください。
A.商品ブランドのコンセプトを決めるための打ち合わせです。
ネクスコ中日本グループ、山梨交通の皆さまには、サービスエリアでの実際の売れ行きから、どのような商品に需要があるのかなど、販売側としてとても参考になる情報、意見をたくさんいただきました。また、(株)笛吹の華さんの、商品のコンセプトやターゲット層の決定を重要視される姿勢に、商品を考案する際には、自分たちが作りたいものを作るだけでなく、マーケティングを十分した上で需要がある商品を作ることが重要だということを学ばせていただきました。
質問③ 山梨の農産物、農家の人々についてどんな感想をもたれましたか?
A.商品開発過程の実地調査から、盆地特有の気候と日照量があること、フルーツだけでなくお野菜の栽培にも最適な土地であることを知り、山梨の魅力をもっと多くの人に知ってもらいたいと思いました。また、商品開発でお世話になったヨダファームの功刀さんには、魅力の発信方法から山梨で農業を営むことへの思いをお聞きすることができ、商品開発を行う上で沢山の刺激をもらいました。
質問④ 購入された方々の反響はいかがですか?
A.2021年12月に、双葉サービスエリア(下り)で試食会+販売会を開催した際、購入された方から、「子どもが野菜嫌いだが、野菜ジャムだと甘く食感もたのしめる」とのコメントをいただきました。
また、神奈川県からお越しの観光客の方には、販売ブースに展示していた大塚ニンジンの大きさに驚いており、商品のことだけでなく、山梨の魅力を伝える良い機会となりました。
質問⑤ R4年度の同窓会総会で販売していただきました。その時の感想をお聞かせください。
A.この度は、同窓会総会での販売をさせていただきまして、誠にありがとうございました。当日は、3種のジャムを各20個ずつ計60個用意していました。同窓会役員の方々のご協力もあり、多くの同窓生に向けて販売することができました。同窓生の皆様に、県立大生の後輩として、学び舎での活動を知ってもらうことができ、非常に嬉しかったです。地域で活躍する県大生と同窓生の交流の場として、今後もこのような場があることを強く願います。
質問⑥ 県立大での学びはいかがでしたか。
A.今回、山梨県内企業と連携し商品を一から開発する過程に携われたことは、大変貴重な経験となりました。特に、学生のうちから、①多彩な経歴をお持ちの社会人とつながり、②学生チームで企画から販売・プロモーション活動をおこなったことで、社会に出ても役に立つ実践力が身に付きました。商品開発での学びを通じて、他のゼミ活動や地域での活動の幅が広がり、自身のキャリアと社会貢献に対する考え方が大きく変化しました。
県立大の強みは、学生のうちから地域社会とつながることができ、将来を見据えた活動や自分らしく挑戦できる環境があることです。大学教授や仲間、お世話になっている全ての方への感謝を忘れず、行動する国際人として課題解決に尽力できる人材へと成長していきたいです。
国際政策学部八代ゼミでは、2021年度にNEXCO中日本グループ、山梨交通(株)、(株)笛吹の華と共同し、「新しい山梨を詰め込んだ逸品」をブランドコンセプトとして、山梨の特産品を使った3種の野菜ジャム「商品名:ベジブル」を開発しました。2021年11月より、中央自動車双葉サービス(下り)で販売しています。